吉野100年黒杉

「吉野百年黒杉」の特徴とおすすめの使用方法

高品質な木材を、より身近に! 新ブランド「吉野百年黒杉」

高品質な木材を、より身近に!
新ブランド「吉野百年黒杉」

「吉野百年黒杉」は、奈良県吉野地域で育った樹齢百年以上の、心材が赤黒色を帯びた杉のことで、新たに生まれたブランド材です。 その特徴は「腐りにくい」「シロアリに強い」「カビが生えにくい」とされ、上吉野木材協同組合と吉野製材工業協同組合が連携し、奈良県森林技術センターとの共同研究で証明されました。 一般的に吉野杉の特徴として、「年輪が詰まっている」「節が少ない」「色艶が良い」がよく挙げられます。しかし、育ってきた環境(標高、方角、土壌など)によって、「色艶」は様々です。赤味の色合いが淡く、桜色とも言えるような杉が吉野杉の代名詞のように言われていますが、それと同じくらいの量で、赤味の色合いが濃かったり、黒かったりする杉もあります。それらの杉は、数年前まで評価の低い木材とされていました。しかし、木材関係者の間では、色の黒い杉は水に強いから、屋外で使うと良いと言われており、また奈良県森林技術センターの研究結果によりエビデンスも確認されたことによって、再評価され始めました。そこで、黒い杉の特徴を活かした販路拡大が出来れば、杉の間伐が進み、持続可能な山の循環に繋がるのではないか、との想いで、高品質な吉野杉をより身近なものとして使っていただくために「吉野百年黒杉」のプロジェクトが始まりました。

 

「吉野百年黒杉」の特徴と研究結果

腐りにくい

「腐りにくい」

JIS Z 2101による耐朽性試験(茸を使用した腐りやすさの試験)の結果、一般的なヒノキやスギの心材に比べ、重量減少率が低いことがわかりました。重量減少率が低いほど、その木材が腐りにくいことを示します。

 

シロアリに強い

「シロアリに強い」

吉野百年黒杉の黒心材には、抗菌成分や抗蟻成分(シロアリに強い成分)が含まれていることがわかりました。
※奈良県産業振興総合センターにご協力いただき、ガスクロマトグラフ質量分析計にて分析したところ、抗菌力、抗蟻力のある成分として、クベドール、フェルギノール等が検出されました。
また、イエシロアリ生息地に、吉野百年黒杉の黒心材を約10カ月埋設した結果、他の木材に比べ、シロアリによる食害被害が少ないことも立証されました。

 

カビが生えにくい

「カビが生えにくい」

シャーレ内に各木材を入れ、寒天培地に生育したカビが、各木材試験体を被覆する様子を4週間観察した結果、吉野百年黒杉の黒心材の表面にカビが少ないことが立証され、アスペルギルス(麹カビ)、ぺニシリウム(アオカビ)、オーレオバシディウム(黒色酵母)、リゾープス(クモノスカビ)が生育しにくいことが判明しました。

【試験材料】
◆樹齢100年以上のスギ黒心材(吉野百年黒杉)の丸太9本(吉野町、黒滝村、川上村)。
■比較のための材料は、スギ辺材、同じ地域で生育したスギ赤心材など。
※試験方法及び結果の詳細は、奈良県森林技術センター研究報告N0.50 57-67(2021)。

 

「吉野百年黒杉」のおすすめの使用方法

「吉野百年黒杉」のおすすめの使用方法

一般のスギ材と同じようにお使いいただけますが、「腐りにくい・シロアリに強い・カビが生えにくい」という特徴を生かして、建物の外壁や塀・ウッドデッキなどに利用できます。非接地で縦使いがおススメです。

  • 上吉野木材協同組合(2022年施工)

    上吉野木材協同組合(2022年施工)

  • 上吉野木材協同組合(2022年施工)

    上吉野木材協同組合(2022年施工)

  • 吉野町立吉野さくら学園(2021年施工)

    吉野町立吉野さくら学園(2021年施工)

外構部の木質化の支援をしています。

人と環境にやさしい資材である木材を使うことで、美しい街並みや景観につなげようという試みが始まっています。一般住宅はもちろん、学校や保育園、公園、病院、福祉施設、駅、庁舎といった公共施設の建築素材として積極的に活用すれば、環境にやさしい「木のまちづくり」を目指すことができます。その取り組みの一環である「外構部の木質化対策支援事業」は、外構部に木材を使用するために補助金を申請することができる仕組みです。 詳しくは【外構部の木質化対策支援事業】