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奈良の木の良さとは
強さと美しさを兼ね備えた奈良の木
県の面積の約77%を森林が占める奈良県。
特に吉野林業地域おいて、「密植」と呼ばれる植林方法が受け継がれてきました。また、吉野特有の土壌成分から、心材が淡いピンク色をしている木が多いのも特長です。それによって、まっすぐに成長し、同心円で年輪が細かく均一で、節が少ない木材が生み出されているのです。そんな奈良の木の良さや特長について、「吉野と暮らす会」の石橋さんにお伺いしました。

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❶優れた強度性能
木材の強度の指標となる「ヤング係数」をみると、奈良県産材(スギ・ヒノキ)の平均値は全国平均値を上回っており、優れた強度を有しているといえます。
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❷緻密な年輪
奈良の木は、枝の跡である節が少なく、年輪が均一で細かいことが特長。何百年もの間受け継がれてきた育成方法によって、同心円で緻密な美しい年輪がつくりあげられています。
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❸美しい色合い
吉野特有の土壌成分から、吉野スギの心材は、赤み混じりの上品な色合いです。また、吉野ヒノキは繊細で品のある淡いピンク色が絶妙に映えます。
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奈良の木の歴史と種類
江戸時代から酒樽用として高く評価
年輪の詰まっている奈良の木は強度が高く、江戸時代から酒樽の樽丸用材として高く評価されてきました。酒樽を作るための材木を調達するのに地の利が良かった吉野では、需要のあるスギを植林するようになります。また木取りの仕方によって、柾目(まさめ)、板目(いため)、杢目(もくめ)の違いができ、用途や使用箇所など活用方法も様々。そんな奈良の木の歴史や種類について、吉野林材振興協議会の中野さんに伺いました。
